海外で人気のあるインジケータ「TDI(Traders Dynamic Index)」を紹介します。
TDI(Traders Dynamic Index)とは
TDI(Traders Dynamic Index)は、Dean Malone氏によって2006年頃に考案されたインジケーターです。その後TDIは、FX関連の有名な海外フォーラムサイト「FOREX FACTORY」において、「Trading Made Simple(TMS)」という手法の中で利用されました。
最初の投稿は、2011年8月19日です。(2020年11月3日時点)、このスレッドは「5522」ページまで生成されており、驚異的な長さのスレッドになっています。このスレッドの中ではオリジナルの手法と、いろいろな派生手法が議論されています。
TDIの構成要素
TDI(Traders Dynamic Index)は以下の要素で構成されるインジケータです。
RSIプライスライン:期間13のRSIに対して、期間2の単純移動平均線を適用(下図のグリーン色)
トレードシグナルライン:期間13のRSIに対して、期間7の単純移動平均線を適用(下図の赤色)
マーケットベースライン:期間13のRSIに対して、期間34の単純移動平均線を適用(下図の黄色)
ボラティリティバンド:期間13のRSIに対して、期間34/標準偏差1.6185を適用(下図の青色)
( 外部サイト画像引用 )
TDIは、RSIとSMA(単純移動平均)とボリンジャーバンドの組み合わせなので、PCやスマホのMT4で、各自で設定することが可能です。
( 下記は私のオリジナルチャートです。全てはいつも表示はさせていませんが一応全部表示させています )
一番上がTDIです。あとはカスタムインジケーターです。この私のチャートではエントリーポイントが、より良くわかりやすいように配置されています。下から2番目はダイバージェンスが発生したら表示もします。( 参考までに・・・。なので私も参考にしているインジケーター・指標です )
TDIの基本シグナル
TDIを最初に考案したDean Malone氏や、その後のFOREX FACTORYにおける「Trading Made Simple(TMS)」のスレッドにおいては、以下のようなTDIの基本シグナルが考えられています。
( 外部サイト引用画像 )
A:RSIプライスライン(グリーン色)とシグナルライン(赤色)のクロス
これが最も有名なシグナルです。プライスラインとシグナルラインのクロスには、角度がついていることが重要です。この角度は「TDIアングル」と呼ばれており、「0時から2時」の方向が買いシグナル、「4時から6時」の方向が売りシグナルとされています。
B: シグナルライン(赤色)とマーケットベースライン(黄色)のクロス
個人的には、このシグナルが重要だと思います。このシグナルは、次(C)のダイバージェンスと組み合わせて使うことができます。なお、Trading Made Simple(TMS)では、TDIをできるだけシンプルに使うために、マーケットベースラインを表示せずに、プライスラインとシグナルラインだけでトレードする手法があります。
C: ダイバージェンス
これはTDIというよりRSI単独で使えるものですね。しかしボリンジャーバンドの中でダイバージェンスをあらためて見ていると、いろいろな派生的手法が考えられそうです。
(その他のシグナル)
その他、プライスラインがシグナルラインとクロスせずに細かくバウンドする事象に注目したり(「TDI baunce」と呼ばれます)、またボラティリティバンドのブレイクアウトに注目したりするシグナルがあります。
TMSの基本手法
TDI(Traders Dynamic Index)の解説シリーズとして、今回は、「Trading Made Simple(TMS)」をとりあげます。
「Trading Made Simple(TMS)」は、FX関連の有名な海外フォーラムサイト「FOREX FACTORY」において、10年の歳月をかけて議論が続いているトレード手法です。
最初の投稿は、2011年8月19日です。現在、このスレッドは「5531」ページまで生成されており、驚異的な長さのスレッドになっています。このスレッドの中ではオリジナルの手法のほか、いろいろな派生手法が議論されています。
FOREX FACTORYにおける「Trading Made Simple(TMS)」のスレッドでは、以下のような基本手法が考えられています。TMSを構成する2大要素は、平均足とTDIです。
【Trading Made Simple(TMS)の基本フォーマット】
- 平均足
- 単純移動平均線(期間5、※シフト2)※ローソク足2つ分、右にずらしたものです。
- TDI(ただし、RSIプライスライン(グリーン色)とシグナルライン(赤色)のみ表示)
(追加でストキャスティクスを表示するケースもあります。)
推奨時間足は、1時間足以上です。(当サイト注:4時間足が最も適切だと思います。)
RSIプライスライン(グリーン色)がシグナルライン(赤色)を角度をつけて上抜いて、平均足が2本以内に陰線から陽線に変わると買いエントリー、逆にRSIプライスラインがシグナルラインを角度をつけて下抜いて、平均足が2本以内に陽線から陰線に変わると売りエントリーです。
RSIプライスラインが水平になった場合、または平均足の陽線・陰線が切り替わるとエグジットします。
TDIの形状サンプルその1
下図は、ボラティリティバンドがスクイーズの後、上放れたケースです。RSIプライスラインとシグナルラインとマーケットベースラインの3本が接近して小刻みに推移した後に、RSIプライスラインが鋭角に上昇しています。
TDIの形状サンプルその2
RSIプライスラインとトレードシグナルラインが、マーケットベースラインの近辺で反発して鋭角にクロスすると、絶好の押し目買いのポイントになっています。
TDIの使い方は貴方次第!
TDIを使ったオリジナル手法のサンプルを作ってみましたので、以下をご覧ください。
TDIオリジナル手法サンプルの構成要素
- 240EMA
- 5EMA
- 5EMA(シフト2)
- TDI
TDIと移動平均線だけです。想定は1時間足です。通貨ペアは問いません。
- 240EMAは、その方向やチャートの位置関係から、「目線」を決めるために使用します。以下のようなケースでは、ショートだけを狙います。
- 5EMAと5EMA(シフト2)は、TMSの平均足の代わりです。両EMAのゴールデンクロスやデッドクロスを、平均足の陽線・陰線が切り替わるタイミングと同様に認識します。
- あとはTDIの形状を見ながら、優位性が高いと思われるポイントで、エントリーを検証していきます。
TDIはシンプルですが、実に奥が深いと思います。
TDIが気に入った方はぜひ、貴方だけの鉄板手法を生み出してください!