地球の黄金律
海外のFXトレーダーの間では、フィボナッチ系指標が愛用されます。
映画「ダヴィンチ・コード」でも一般的に有名になりました。
フィボナッチについては前にも説明しましたが、少し砕いて説明します。
フィボナッチ数列(黄金比率)とは
「フィボナッチ」とはレオナルド・フィボナッチさんが見付けた数字の配列の事です。
発見者の名前からフィボナッチ数列と呼ばれます。
決してニックネームで「なっち」とついている訳ではありません。
フィボナッチ計算式
数列の法則は至って簡単で、
まず初めに、数字の始まりである「1」が存在します。
「1」
先ほどの「1」に新たな「1」を足した数字が、二番目の数列「2」になります。
1+1=「2」
三番目以降の数字は、前回の数字と前々回の数字を足した数字になります。
つまり、三番目の数字は、2(前回の数字)+1(前々回の数字)で「3」になります。
1+2=「3」
以後これをずっと続けたものがフィボナッチ数列です。
1
1 (1)
2 (1+1)
3 (1+2)
5 (2+3)
8 (3+5)
13 (5+8)
・・
・
横に書くと、1、1、2、3、5、8、13……で、
直前の2つの数字を足したものが新たな数字になり永遠に続きます。
この隣り合う数字の比率は、数字が大きくなるほど1.618(0.618)に限りなく近づいていきます。
エクセルなどで計算すると良く解ると思います。
大変不思議ですが、自然界の多くのものに、この数字が当てはまる事があります。
これが黄金比率と言われるものです。
さまざまな物事が、この0.618という数字に次第に集約されていくんでね。
なぜフィボナッチが注目されるか?
黄金比率・フィボナッチ数は自然界の至るところで発見されています。
ピラミッドの形や花びらや葉の枚数・つきかた、アンモナイトの巻き方などが良く例に挙げられます。
他にはモナリザ、ミロのヴィーナス、パルテノン神殿、ひまわりの種などなど。芸術・植物・建築物が多いでしょうか。
黄金比を使った縦横比は、名刺や書籍、セキスイハウスの玄関の石畳などなど、身の回りや商売にも広く活用されています。
それだけ、黄金比を意識した生活に、私たちは意識せず馴染んでいます。
年代や分野、地域を問わず、あらゆる物に黄金比が発見されている事から、何らかの法則・意味があると考えられていますが、
今のところなぜ、さまざまなものに黄金比が潜んでいるのかは解明されていません。
一方でFXでも、チャート(テクニカル)は全ての事象を織り込んでいる、と考えます。
この為、森羅万象を読み解く鍵のひとつとされるフィボナッチ数列(黄金比)と、FXのチャートが結び付く訳です。
フィボナッチは海外のトレーダーに特に人気で、ヨーロッパ勢・アメリカ勢が好んで使います。
マジョリティが注目する事によって、指標としての信頼度を増している現実があります。
ィボナッチをオカルトのように考える事も出来ますが
ファンダメンタルズが主流の時代、テクニカル論全般がオカルトのように考えられていた時期があります。
相場に数的なアプローチを考えもしなかった時代に、数字の得意だったジェシー・リバモアはテクニカル論によって伝説となりました。
酒田五法や一目山人も同じでしょう。
信じるか信じないかは、アナタ次第です(誰でしたっけコレ)
フィボナッチ指標の種類
MT4に標準搭載されているだけでも以下のものがあります。
・フィボナッチ・リトレースメント
・フィボナッチ・チャネル
・フィボナッチ・エクスパンション
・フィボナッチ・タイムゾーン
・フィボナッチ・ファン
・フィボナッチ・アーク
・フィボナッチ・ボリンジャーバンド
・フィボピボ
・ペンタゴンチャート(※ペンタゴン(正五角形)は全てがフィボナッチ数によって形成されている)
などがあります。
他の指標と組合わせる事が可能なので応用が広いんですね。
いかにフィボナッチが多くのトレーダーから愛されているかわかります。
ちなみに五芒星は、頂点を全て結ぶと正五角形になります。
五芒星は宗教や国旗にも良く使われますが、何かあるのかもしれませんね。
添え書き
フィボナッチ比率は、モノ・生物の成長・見た目の美しさetc が最も「安定」する形とも言われています。
ここからは私の持論です。
黄金比やフィボナッチ数は、植物の葉や花びらの枚数、ひまわりの種、アンモナイトの形など生物に多く見られます。
地球上の生物は進化と淘汰を繰り返してきました。
生存競争の中で、適合と成長、そして進化のリスク中で淘汰され、適者生存してきた歴史があります。
急過ぎる成長はリスクを生み、別の生物に捕食されやすくなる危険、進化に身体が耐えられない危険を孕みます。
その中で、生き残った多くの生物に見られる特徴・共通点がフィボナッチ数/黄金比であるなら、
最もリスクを抑えつつ、かつ最大現にリワードを得られる、最適値が黄金比として集約されているのではないか。
生物は、安全と挑戦を天秤にかけながら成長しているようにも見えます。
黄金比は、生物がそれ自体を目指していたものではなく、それぞれの生物が独自に挑戦した末、結果的に集約されたひとつの理と言えます。
フィボナッチ・マネーマネージメント
このような考えで私はかつて黄金比を資金管理に適用すべく研究した事があります。
トレーダーでいう成長は、資金の増加です。
いち早く資金を拡大させたいと思うと、その分リスクが大きくなります。
ですがリスクを最小限にしてチマチマ続けると成長も遅くなります。
この中間どころの最適値を、生物の先輩方にあやかって黄金比で管理しようと言う発想です。
例えば、資金を2倍に増やす事が出来た後、
その後のポジションを2倍に増やすと、利益は倍増しますが、破産するスピードは当初と同じなので、資金が増えるほど破産リスクが重くのしかかります。
かといって、同じポジション数だと、資金を増やした利点が損なわれます。
その増加率を1.618にしたらどうか?という事です。
資金が2倍になったら、ポジションを1.6倍にする。とかですね。
エントリーを分割して、2,2,2,4 の四回に分け、トータルで10(1ショット)とする方法がありますが、
これを、1,1,2,3,5 (トータル12)として1ショットとしてはどうか?
などですね。
この辺りは、攻めと守りを同時行う最適値、正に黄金律を求めたい訳ですが、結果的に採用していません。
理由は、ポジションの積み増し(ピラミッディング)は短期売買には向かず、中・長期に適しているからです。
これは短期売買になるほど、ボラティリティ・波動の大きさ・スプレッド・ノイズの影響が強くなるかるからです。
攻防一体より、守りだけ
また、攻守を一手でやってのけるこの手の資金管理法も、まずは勝てる手法ありきです。
特に、攻めの資金管理は、初心者が行うものではありません。
トレードでは、攻めか守りかで言えば、確実に守りを優先させます。
この為、攻防一体の理論であっても攻撃的要素の占める割合の分だけ、リスクも増大しています。
攻めだけ、守りだけ、攻防一体
この3つから最良な選択肢は、「守りだけ」です。
守っていればいつか勝ちます。
リスクは可能な限り排除する事が勝利への近道です。
また、攻めの割合を増やす(リスクを増やす)分だけ、メンタルに影響します。
実はこの部分の影響が非常に大きく「最適」だと信じていても、ドローダウンに耐えながら実行するには経験と信念、実行力が必要になります。
まだ地球上で解明されていない「黄金律」に、資金管理の全てを託すのは、どこかで迷いが生じてしまいます。
このような理由から、現在はシンプルな資金管理法に落ち着いています。