半歩踏み込むボリンジャー:モメンタム編

ボリンジャーバンド(以下、BB)をテーマに手法のヒントになる半歩踏み込んだテクを紹介します。

逆説のボリンジャー

ボリンジャーバンドの何が良いかというと、トレンド指標であるにも関わらず、本職のトレンド観測以外に、オシレーター、モメンタム要素も判断できる守備範囲の広さです。この為BOでも好んで使われます。相性の悪いインジケーターを組合せるよりひとつの計算でいろいろ判断できる万能性が魅力です。

今回は軽視されがちなBBのモメンタム要素にフォーカスしたお話です。

MAもオシレーター・モメンタムに応用することは可能ですがBBはそれ以上です(例:グランビルの法則、etc.)

代表的な指標の分類

  • トレンド系 
  • オシレーター系
  • モメンタム系
  • ボリューム系(為替市場は東証のような場所がない為マーケット全体のボリューム把握は難しい

モメンタム ≒ 相場(価格変動)の勢い

それぞれ「トレンド発生」「売られすぎ(買われすぎ)発生」「勢いの発生」「売買高(売買量)」の指標となります。

半歩踏み込むスクイーズ

BBのスクイーズエクスパンション相場の”勢い”を見える化できて便利ですが

いつスクイーズするかが解ったらもっと素敵ですよね。(スクイーズとエクスパンションは繰り返します。

それが解ったら預言者か虚言者だぜ。と思うでしょうか。

プレ・スクイーズ

実はこれはそれほど難しくなく、トレンド方向と反対側のバンドが先に収縮してくるので、本格的なスクイーズの予兆として捉える事ができます。

「スクイーズし始めたら・・・」「エクスパンションが終わり始めたら・・・」「スクイーズはエクスパンションの前兆だから」と説明する教材はありますが「そのスクイーズの前兆」ってどう判断すんだべ?思った事があればこの知識は有益です。調べてもこの現象の呼び名は見当たらない(2019年時点)ので、以下「プレ・スクイーズ」と呼びます。

解説

もちろんこれはオカルトやアノマリーでなく計算上そうなります。

単純にMiddleと上下同シグマの幅は必ず等幅になるので、
エクスパンションを伴うトレンドが発生し、その後トレンドが安定するとエクスパンションは終息していきます。
(ロングの場合、加速が衰え上昇角度が安定化してくるとボリンジャーバンドは平行チャネルの形に近づくため、+σはミドルに対して広がるように伸びるが-σはミドル側に伸びていくように見える為)

当然ながらプレ・スクイーズが発生したら必ずスクイーズになる保証はなく伸びが再開するケースもあります。ただ少なくとも初動の勢いが安定化した、一息ついた、踊り場のような状態を示すため、他のトレーダーに先んじて構えやすいでしょう。

※ 注意点

スクイーズと違って、プレ・スクイーズは収縮状態を表すのでなく『スクイーズの前(かも)』あるいは『エクスパンションの終わり(かも)』という状態を示す点に注意

それから

問題はそれをトレードにどう活かすかです。プレ・スクイーズを知ったからと言って金持ちになれる訳ではありません。

エクスパンションの寿命は思っているほど長くなく全体の中でも極短期的な現象です。またBBのエクスパンション&スクイーズは”見た目”に頼るところが大きいので、一見するとトレードへの利用は難しいようにも思いますが、これはエントリー足を下位足に下げれば解決します。

上位足では短期間のエクスパンションでも、下位足では足本数に余裕があります。つまり環境認識の上位足で観測したプレ・スクイーズを下位足の売買タイミングで利用すれば良いでしょう。上位足のスクイーズは見た目のファジー判断で行い、下位足でルールに基づいて厳密な投資判断をするということです。

裏バンドウォーク

バンドウォークは強いトレンド状態を表します。標準偏差の枠を超える異常値が連続する異常事態の強トレンドなので、上述のエクスパンションを伴うケースが多いです。裏を返せばバンドウォーク自体をモメンタムとして判断できます。その逆はなにか?。「バンドウォークもスクイーズも誰でも知っててもう古いズラ」と思うでしょうか。訳合ってブログで公言できませんが、人の行く裏に道あり 花の道です。

バンドウォークを捕捉することは、モメンタム(勢い)を捕捉することにもなるのです。

1HのBウォーク期間を1分足で見た期間

先程同様、上位足でバンドウォーク発生を確認後、下位足でエントリータイミングを測るのも良いでしょう。基本的に異常値が続いている訳なのでいつ通常運転に戻るか分かりませからバンドウォーク発生時間軸よりも、その下位足の方が初心者向きです。

※通常は小さい時間軸になるほど上級者向きになります。あくまで本件における解説です

補足

私自身は、BBはごく限られ使用法でしか使ってなくて分析段階ではほぼ表示させているだけなんですが、その使用法の為だけに外せないインジとなっています。

今回紹介したプレ・スクイーズも知識としての保有でありエントリールールなど手法にも組み込んではいません。(有効でないという意味ではありません。スクイーズ・エクスパンションは数値化・定義化が難しいというのもありますが、私の手法ではその他の条件で必要充分の判断というだけです)

冒頭でお伝えしたようにBBはひとつで三役こなし、真ん中にMAもあるので、BBひとつで手法を完結できるオールマイティーさがあり奥の深いインジケーターです。
とくに、トレンド相場レンジ相場両方に使える指標は多くはありません。私はオシレーター系を使わないのでBBがその役を補助してくれています。

またその特性からFXトレーダーだけでなくバイナリーオプションをする人からも人気です。

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