ポジポジ病
トレーダーの仕事の大部分は、トレードしない事です。
個人投機家は、会社員のように常に仕事していないといけないという事はありません。
営業マンのように、玉砕覚悟の行動力を発揮してはいけません。
(根拠ある勇気は必要)
トレーダーだから、トレードしなくちゃ、と思うのは間違いです。
一度チャートを開くとなんやかんや理由を付けてエントリーしてしまうのは確たる根拠ある人間の性ですが、
トレーダーとしては五流以下の仕事です。
ほとんどの新米トレーダーと、経験者の多くもこの状態を抜け出せません。
むしろ慎重なビギナーより、こ慣れた経験者に多いでしょう。
誰もが通る道ですが、あえて強めに言っておきます。
ごっこの域を超えないトレードだからです。
今やる必要あるの?
チャートを手札の様に考えてはいけません。
「この手配で勝負するなら」「今この状況下で”買うか売るか”なら」と考えてしまうと、無理な勝負をしてしまいます。
眼前のチャート(状況)に対する最善策がショートエントリーだとしても、
長期的なトレード行為の悪手であることは否めません。
チャートを開いてすぐ、今しかチャンスがないという状態はほとんどありません。
一瞬のトレードチャンスというのは、待ち構えている時にこそ訪れます。
不利な土俵でいくら戦術を駆使しても、ベースは負け戦(いくさ)です。
小手先のテクニックで勝負しても、戦略負けしているので、長期的には勝ち越す事は困難です。
「死中に活」「逆行に立ち向かう」などの飽くなきチャレンジ精神は、その逆に使ってください。
つまりトレードしない事にエネルギー割くべきです。
チャンスはいくらでもきます。
果報は寝て待て。
無理して頑張れば勝てる世界では、ありません。
トレーダーの仕事
「エントリー」がトレーダーの仕事ではありません。
妙なところで仕事の責任感を感じてエントリーしてはダメです。
使命感もチャレンジ精神を不要です。
その段階はデモトレードの検証の時に終えている筈です。
それは行動力でなく、ただのポジポジ病ですよね。
もう少し、キビシめに言うなら、ただの自己陶酔です。
”トレーダーのつもり”なのです。
エントリーする事がトレード行為ではありません。
”エントリー”は単にオーダーであり、トレード行為の中の一部の動作、ひとつの判断に過ぎません。
そして「トレード行為」とはノートレードの判断や行為も含めて、トレードなのです。
過半数はノートレードです。
野球のようにストライクゾーンばかりに球はきません。ほとんどが見送るべきコースでしょう。
ぼーっとして見逃すのはただの素人ですが、価値ある不作為を実行するのが正しいトレード(仕事)のあり方です。
「トレードしない事」はトレーダーの仕事です。
トレーダーとして、仕事をしようじゃありませんか。
もちろん、爪隠しっぱなしの鷹にならないように、常に相場を環視し獲物を探す必要はあります。
傍観せずに観察し、情熱を持って冷静に取り組めば、成果はあとから付いてくる筈です。
待ち構えて
狙い撃つのがトレーダーです。
ノートレードは、誇るべき自己規律と、トレーダーの証です。