トレンドラインというツール
何もない草原でお宝を探す時・・。
そこに立派な棒を一本渡されると、なんだか棒が主役になります。
この棒を使ってお宝を探そうと考える訳です。
毎日トレンドラインを引いているとライン優先でモノを考えがちになるので注意が必要です。
棒はあくまで目的達成の為の道具(ツール)です。
棒に振り回されないように注意しましょう。

棒は工夫次第で武器にも防具にもなります。
要は棒でなく、棒を扱う人次第という事です。
トレンドの把握とエントリータイミングはどちらが重要でしょうか。
トレンドが『線』ならタイミングは『点』です。
実際には『波系』になります。
麻雀と同じで、波にさえ乗っていれば少々のミスは波が吸収してくれます。
波さえ把握できれば、浮かべるだけでも進みます。
もしトレンドが解れば、これほど勝ち易い事はありません。
トレンドさえ解れば、圧倒的に勝ち易くなります。
トレンドラインは過去チャートを見れば誰でも大体引けます。
つまり、過去においては誰でもトレンドの把握が可能です。

トレンドラインを理解する
トレンドラインはこのトレンドを把握し、利用する為に使います。
トレンドを把握する事は、
裏を返せばトレンドレス(レンジ)を把握する事です。
ラインを使うと途端にエントリーポイントを探しがちですが、
エントリーしないポイントをあぶりだすだという考えも必要です。
バットを持ったら、何か打ちたくなる、ではいけません。
選球眼を身につける事です。
トレンドを把握する別の方法としては、
MA、BB、GMMA、平均足、ダウ理論など挙げればキリがありませんが、
トレンドラインもその内の一つにすぎません。
併用する場合は、自分なりのトレンド判断のルールを決めておく必要があります。
恐らくトレンドラインは最も簡単にトレンドを把握し、
最も簡単に売買タイミングに利用できる道具のひとつです。
「今さら?」と思われるかもしれませんが、
- 先行指標・遅行指標としての役割
- 環境認識方法
- セットアップ認識方法
- トレンドラインが機能する理由
- ラインで判断する群集心理
- 水平線との違い
- ライン別信頼性の測り方
- タイミングとしての活用法
- トレンドの強さの違い
など、深く理解しないまま使えてしまうのもトレンドラインです。
チャートに表示しているのは、線にすぎませんが、読み取る内容には差が出ている筈です。
トレンドラインの性質

トレンドラインの性質

トレンドラインは、右側と左側で役割が異なります。
左:トレンドを把握する
右:売買の目安にする
補足:トレンドラインは先行・遅行両方の性質も併せ持つ。
①過去から現在に引いたラインよってトレンドを計測し、
②現在から未来へ延長した線で、売買のタイミングを計る(利用する)
トレンドラインは
- トレンド(トレンドレス)を把握し、利用する為に使う
- トレンドラインは手段であり目的ではない
トレンドラインはあくまで、左側で起きた結果を元に、右側を予測する為につかいます。
右側をぴったり予測できる神のような人はいませんので、ラインを神格化しない事です。
しかし、左で起きた事はまぎれもない事実ですので、これを元に右側を予測する事は利にかなうと考えます。
この辺りを混同してしまうと、必ず線が機能するかのような錯覚を受けますので注意が必要です。
現在を境にして右と左では少し捉え方が違い、中心線(現在)は常に移動します。
それに合わせてトレンドラインも引き直される事になります。
主観的に引かれた個人的な線という事に留意する必要があります。
右側はあくまで、目安・予測であり「ラインの辺り」で反応する「かもしれない」ものです。
一般にインジケーターはMAやBBなどの遅行指標と、ヒボナッチ・ピボットなどの先行指標に分類できます。
トレンドラインは、実に単純にこの両方の性質を兼ね備えた予測ツールと言えます。
上ならロング、下ならショート
線の傾きを見るだけで一瞬で判断できる事は、迷いを生む余地が少いという点で優れています。
また水平線と同じく、価格がトレンドラインを超えると、ラインとしての役割が反転します。
基本的にラインは「反発する」と考えて行動します。
※「反発」が原則である故にブレイクアウト戦略も有効になります。

この図は、先ほどの図のその後を示しています。
(他のインジと違って)トレンドラインの引き方には個人差がでます。
この図も、大きく見てレンジと捉える方もいるでしょう。
正解、不正解といった概念ではありません。
あなたならどんなラインを引き、どう使うでしょうか。
トレンドラインの性質2

トレンドラインの特徴にもうひとつ重要なものがあります。
角度です。
角度によってトレンドの強弱を知る事ができます。
角度は、①過去側②未来側どちらも同じになります。
トレンドラインは右と左で役割が異なる事はお伝えしました。
未来を完璧に予測できる方法はありませんから、結果外れる事も多々あります。

角度が急なほど、強いトレンドを示します。
又、角度が急な程、x軸(時間軸)は短くなり、緩やかな程x軸が長くなりやすい傾向があります。
トレンドラインを対角線とする長方形の面積は大体同じになるという考え方もあります。
角度が緩やかな程横に長く、急な程縦に長くなります。
そこまで意識する必要はありませんが、
角度が急すぎる場合そのトレンドは長続きし辛いという事は覚えておいて損はありません。

又、『角度』は『何℃』と計測するようなものでなく、通貨毎、時間足毎に、相対的に見て判断する必要があります。
図のように、トレンドラインは時間経過とともに加速・減速します。
一番外側に引いたものをメジャートレンドライン(上図では緑)、内側に引いたラインをマイナーラインとかインナーラインなどと呼びます。
引き直したトレンドラインの角度から、段階的にトレンドの強さが加速しているのが解ります。
価格がトレンドラインまで戻る事なく上昇を続けていますが、
一番始めに引いたラインを下回る事はなく、トレンド方向は合っています。
トレンドラインはこのように、
過去側で発生した傾きと角度によって、トレンド方向と強さを利用して、
未来側を予測するチャート分析手法です。

まとめ
- トレンドラインは先行・遅行標の性質を同時に持つ
- ラインの右と左で意味が異なる
- ラインの上下で役割が反転する
- トレンド(トレンドレス)を把握し、利用する為に使う
- トレンドラインは手段であり目的ではない
- トレンドラインは傾きと角度が重要
となります。
複雑そうで単純です・・。