日誌は勝者の共通点
ノートを付けずに勝者になるのはほぼ不可能です。
過去にも言っていますが、トレード力向上の為のトレードノートの重要度はMAXで、very important でなく、most important です。
ノーベル賞学者もアスリートもノートを付けますが、トレーダーも例外になりません。これは勝者の共通点です。
今回はトレードノートの付け方について説明します。
挙げればキリが無い程恩恵がありますが、主な効果に次のものがあります。
トレード日誌の効果
- 記憶の定着
- 目標の明確化
- 成長期間の短縮
記憶の定着
習慣・ルーティーン等、無意識・潜在意識の定着も含む。トレーダーにとっては自己規律の定着・習慣化などに役立つ。
目標の明確化
抽象的イメージや希望する状態の具体化、方向性の決定。トレーダーにとっては、目的を理解する事で一貫性を維持しやすくなるなどが期待できます。
成長期間の短縮
ここでは、目的そのもの。
敗者が日誌を付けずに勝者に転ずるのは、一度もノートを書かずに大学試験に合格するより難しいでしょう。
トレードは学校や会社で習わないので、殆どの人が初めてで書き方に悩みます。勝率や勝敗、日々の価格を記す場帖としての記録用途もありますが、これらの事はツールで代用できます。
ここではトレード力を付ける事を目的とした、成果が出るトレード日誌の書き方とコツを挙げていきます。初めから意識して書いていた訳でなく、続けているうちに解ってきた私なりのルールのようなものですが経験者のやり方として参考になれば幸いです。
効果的な書き方
1・失敗談でなく改善策を
真面目な人ほど「できなかった」「してしまった」など、反省点を列挙しがちですが、”至らない自分”を記憶に定着させる必要はないので「次はこうすれば良い」「次から○○の可能性を想定して行動する」というふうに、失敗した出来事(過去)でなく、成功する方法(未来)ばかりを書くようにします。
反省は必要ですが、マイナスイメージを文書化すると「また○○してしまった」→(自己嫌悪)「○○のせいで出来なかった」→(責任転嫁)など日誌が逆効果になる可能性もあるので注意が必要です。気をつけていても書いてしまう事がありますが、だんだん減らしていけば良いでしょう。徐々に改善されていく筈です。
また、ノートを後で見返す時、負の情報満載のノートを開けるのと、改善策に満ちたノートを開けるのではまるで印象が違います。やる気や熱い感情など”良いモノ”こそ積み重ねて残していくのが良いと感じています。負の感情を溜め込んだノートなんて存在さえおぞましいですよね。その逆はどうでしょう。見直し・反復は力になります。「明日も開きたくなるノート」であるべきと考えます。
具体例:「今日も熱くなって敗戦を重ねてしまった」→「必要分の資金だけ口座に入れて運用すれば、損失をコントロールできる」
「また指標発表にやられた」→「指標発表前に建玉しなければ、想定外に影響されず自分のトレードができる」
等。
「後ろを振り向くな!走れ!」的なイメージです。
2・相場や他人主導の事は書かない
自分で解決できない事は書かない
例:「政府の要人発言さえなければ」「○○業者が取引停止にさえならなければ」等。
他人や外界を変える事はできませんし、愚痴のはけ口として記録媒体を使うのも良くありません。
日誌は自分の成長の為のものなので、自分が出来ること、やるべき事に集中します。
3・”書いていて自分(自尊心)が高まるもの”を対象に書く
「書いている事その事自体」がドヤ顔になれるような事を書く。「これを書いているオレって、フフフ・・・」と言えるような事を書くということです。
自分を高めるといっても、他人を下げて相対的に自分を上げたり、マウンティングして自意識を高めるのでなく、カッコイイ自分と思える内容かどうか。これは結構重要です。好きな事を書けば日誌を書くことが好きになり、自分にも自信を持てる筈です。
「営業成績トップになる為にアイツを陥れてやろう。」というのは、出世できるかもしれませんが自尊心は持てませんよね。最近は不用意な発言からSNSで炎上する事も多いですが、少なくとも親や子供に見せられる、そして未来の自身に見せられる文章であるべきと思います。文章自体が自分を高めてくれます。
挫折せずに長く続けるコツ
・成長は、段階的波形であり、現在は、成功の過程と認識する
今日書いて明日成功する事は珍しいので、必ず敗者と勝者の間には過程(道中)がある筈です。点と点の間には線があって、その線はジグザグでチャートみたいに進みます。
日誌は勝者と敗者の中間地点の行為を具現化していると考えれば、一行一行が勝利の過程です。そう考えれば自然に足も前に出る筈です。
・定期的に見直す
翌日でも一年後でも良いので、一度は必ず見返す。
書く時は主観で書いても良いですが、見直しは必ず客観視点になる為、特に発見が多いです。
せっかく書いたのだから、二度見をするべきです。