テクニカル分析を捨てた新時代の
日経225先物投資戦略
紹介する「BGM法」を使った新戦略は、注文のための時間が毎日たった5分でトレードを繰り返すだけです。
運用の途中で複雑な使い分けを考える必要が一切ありません。
短期売買でありながら、長期的な資産運用を目的としています。
BGM法を使った新戦略の特長
1 テクニカル分析は一切不要の短期トレード
テクニカル分析は有用ではあるものの、裁量トレードで使いこなすには、それなりの習熟度とそのための時間が必要になります。
また、裁量トレードで最も厄介なものは、自分自身の感情です。テクニカル分析で使用する数値基準は、可変性があるものなので、その時の感情が売買基準を動かすかもしれません。
たとえば、ローソク足でトレードする場合、「5本移動平均線を切ったら損切りする」といったルールを事前に決めていたとしても、実際に価格がそれを切った場面で、13本移動平均線の上に価格がまだあるので様子見しよう、といったように、感情が主導する変更です。
これにより、トレードに一貫性がなくなるため、何を改善したらパフォーマンスが好転するのかもわからなくなります。
最近では、あらゆるテクニカル分析は研究され尽くされ、先物市場でもAIを搭載したプログラム同士の主戦場となっているようです。
このようなマーケットでの裁量トレーダーは、ごく少数の天才を除き、風の前の塵に同じ、といっても過言ではないかもしれません。
テクニカル分析を捨てた本書の内容は、個人投資家が新たな道を切り開くための知識向上に役立ちます。
2 日中立会の始値と終値だけが取引対象のため、売買タイミングを計る必要はなし
トレードの初心者や未経験者にとって、どこでエントリーすればいいのか迷うことが多いと思います。
これは当たり前のことで、売買タイミングを計るトレードで継続的に利益を上げるためには、豊富な経験を積み、習熟度を上げることが必要だからです。
BGM法を使った新戦略では、発注時点が予め決まっていますので、こうした迷いは一切生じません。
3 シンプルなルール「BGM法」でトレード枚数を決めるだけ
BGM法とは、トレード数量を決めるための一定のルールです。3つの基本ルールで構成されていますが、どれも驚くほど簡単なものです。
BGM法を使った新戦略は、日中立会の始値と終値を取引対象として、トレード数量を調整するだけで、長期的に利益を確保することを目指す仕組みとなっています。
4 朝9時前のたった5分を使うだけで一日のトレードは完結
取引対象が日中立会の始値と終値だけですので、朝の段階で大引けまでの予約注文ができる証券会社(SBI証券など)を使えば、朝9時前までのわずかな時間で一日のトレードは完了します。
ましてや、夜間にトレードをする必要もなく、値動きを見る必要もありません。
専業トレーダーである必要はなく、朝9時以降は本業に専念できるのです。
5 機械的売買だから初心者でも同じ結果が期待できる
BGM法を使った新戦略は、再現性のある方法です。
同じ金融商品の同じ期間のデータを使えば、初心者であっても同じ結果が期待できる客観性のある方法です。

リスクとして考えられること
1 運用開始時期による優劣
10年間、あるいは、20年間の利益累計額の推移は、直線的な右肩上がりではなく、パフォーマンスが一時的に落ち込む時期や低迷する年度を経て、階段状の右肩上がりとなっています。
また、金融市場では、〇〇ショックといったイベントが、規模の違いはあるものの、数年に一度は起こることが当たり前となっています。〇〇ショック直前から運用を開始した場合には、大きな損失を被る可能性があります。
本書では、「実際に運用を開始する時期は、〇〇ショック(リーマンショック、コロナショック、トランプ関税ショック・・・)と言われる大きなイベントの通過後から開始するのが戦略的に良さそうです。」と説明しています。
2 売買戦略の見直しの可能性
BGM法が普遍的な数量調整の手法である一方で、これと組み合わせる売買戦略は、日経平均株価の変動傾向に依存したものです。たとえ、20年間の好成績が実証されている戦略だとしても、将来も引き続き、有効な戦略である保証はありません。
国際金融市場における日経平均の位置づけや株価変動傾向が大きく変化した場合には、売買戦略の見直しが必要になる可能性があります。
3 突発的な事象(戦争、パンデミック、金融危機など)の発生
歴史が証明している通りですが、予期しない事象(戦争、パンデミック、金融危機、地震、テロなど)の発生は、金融商品の価格に重大な影響を及ぼします。これは、どのような手法を採用するかにかかわりなく、金融商品のポジションを持つ限り、突発的な価格変動に伴う大きな損失が発生する可能性があります。
メインの内容
1 ポジション数量の調整方法(BGM)
BGM法とは、トレード数量を決定するルールです。
簡単なルールではありますが、如何に数量を調整するのか、その考え方の根拠を説明しています。
考え方の根底には、リスクを如何にコントロールするのか、といった視点が盛り込まれています。
非常にシンプルなルールですので、誰でも簡単に理解することができます。
2 日経225先物の売買戦略
売買戦略とは、買いからエントリーするのか(新規買い・決済売り)、又は、売りからエントリーするのか(新規売り・決済買い)、という方針決めです。
売買戦略の決め方について、基本的な考え方が示されていますので、仮に将来、売買戦略の見直しが必要になった際には、大いに役立つ知識となります。
3 トレード数量の管理方法
BGM法にしたがったトレード数量の計算は、手書きのノートでも十分できます。
ただし、過去データを使った検証や、他の金融商品にBGM法を適用する場合の検証など、膨大なデータを使う場合には、エクセルの利用が便利なことは言うまでもありません。本書では参考として具体的な管理方法を説明しています。
トレード数量を決めるのに裁量の余地は全くありませんので、初心者でも同じ結果が期待できることがわかります。
4 取引最終日(SQ前日)の対応
日経225先物は、それぞれに取引期日があり、中心限月は、3、6、9、12月の第2金曜日にSQ(特別清算指数)が算出されるため、その前日が取引最終日となります。
このように日経平均先物には取引期限があるため、その最終日における対応方法について説明しています。
5 日経225マイクロ先物で運用した場合のコスト
日経225マイクロ先物は、個人投資家にとって手掛けやすいで金融商品のため、本書では例示として採り上げています。マイクロで運用した場合のパフォーマンスを証券会社へ支払う手数料や税金を考慮して試算しています。
直近10年間(2015年1月~2014年12月)の成果は、手数料や税金を考慮した場合、投資資金が約8.8倍となることを計算過程を示しながら説明しています。
10年間の実績

同時期の日経平均先物の推移(2015年1月~2024年12月)

この成果は、誰でも検証可能な客観的データに基づくものです。
特筆すべきは、そのシンプルな仕組みです。日中立会の始値と終値で、BGM法に基づくトレード枚数を売買するだけで、右肩上がりの利益曲線になるのです。
2024年12月までの10年間の利益累計額は、227,535円でした(手数料、税金は考慮していません)。これは、日経平均の表示価格を1単位で売買できるものした場合の結果を示しています。
現在、日経平均先物でその表示価格を1単位として売買できる金融商品はありません。最も小さいサイズの日経225マイクロ先物で運用する場合、グラフの利益累計額は10倍の2,275,350円に読み替えます。
BGM法を使った投資戦略で日経平均マイクロ先物で運用する場合、2025年1月現在、必要な資金は最大で約43万円です。
運用開始当初(2015年1月)の株価水準に比例させて必要資金の最大額を計算しなおすと約19万円となります。これを投資元本とした場合、運用資金は10年間で13倍近くになります(手数料、税金は考慮していません)。
さらに、この結果は単利運用によるものです。資金の増加に応じて1単位当たりの枚数を増やす複利運用ではありません。一般的に複利運用にした方が、より高いパフォーマンスが期待されますが、本書の内容をシンプルにするために単利運用のみで説明しています。
ただ、この10年間の日経平均の推移は総じて右肩上がりであり、長期投資にとっても好条件でした。日経平均を単純に買って10年間持っていただけでも、資金は2.3倍になっていたはずです。
10年前の実績グラフ
さらに10年前の10年間のパフォーマンス
(2005年1月~2014年12月)

同時期の日経平均先物の推移(2005年1月~2014年12月)

注目すべき点は、この10年間は、リーマンショックという大規模な経済危機が含まれており、その後の4年間(2009年~2012年)の日経平均は低迷し続けていました。それにもかかわらず、全体として右肩上がりの利益曲線が描かれています。
BGM法を使った新戦略により運用した利益累計額は、117,001円(手数料、税金は考慮していません)でした。仮に日経225マイクロ先物で運用した場合、利益累計額は10倍の1,170,010円となります。
先ほどと同様に、運用開始当初(2005年1月)の株価水準に比例させて必要証拠金の最大額を計算しなおすと約13万円となります。
これを投資元本とした場合、運用資金は10年間で約10倍(単利運用)になります(手数料、税金は考慮していません)。これに対して、単純に日経平均を10年間持っていた場合、資金は1.5倍にしかなりませんでした。
グラフを注意深く、じっくり眺めてみてください。
BGM法を使った新戦略の成績が、「横ばいの年」と「大きく伸びる年」を繰り返しながら、階段状に利益が増加していく様子がわかると思います。