オーバーシュートとは、”相場の、行き過ぎた価格変動”の事を言います。
一口にオーバーシュートと言っても様々なタイプがあります。
荒れ相場のオーバーシュート戦法
「オーバーシュートを利用したトレード」とは、一般に、行き過ぎた価格の帰りを狙う戦法です。
(戦術・戦略使用も勿論可)
オーバーシュート中に行き方向にエントリーするのは危険ですので誤解のないように注意しましょう。
「何に対して」行き過ぎか は、手法や戦略で異なります。
ある価格ライン、チャネル、ある期間のMAなどに対して、そのトレーダーが持つ理論値から逸脱した価格(エリア)をオーバーシュートと呼んで差し支えありません。
※全員共通のオーバーシュート地点というのは厳密にはありませんが、例えばドルペッグや通貨バスケットの許容変動値の外側やギリギリの値なら「オーバーシュートしている」と言えます
手法にどう使う?
「行き過ぎている」というのは状態でしかありません。
この状態だけではトレードできません。
行き過ぎの”帰り”を狙うのだから、行き過ぎの状態を観測した後、「どこで止まるか」を見極め、最後に「帰り」を狙ってエントリーです。
つまり手法として利用するには、少なくとも自分の中で
「行き過ぎ」の定義
「止まった判断」の定義
「エグジット」の基準
の最低3点を決めておく必要があります。
私の場合、オーバーシュートはメインの手法としては用いず、あくまでテクニック(技術)しての使い方をしています。ただし根幹の理論は、手法・技術とも共通です。カラテに例えると、理論=空手道(カラテがカラテを成すしくみそのもの)
手法(オリジナルの勝ちパターン・定型)=演舞
テクニック=各技(正拳突きなど)という感じでしょうか。
この”技”もいつも使っている訳でなく適時使用します。その”適時”も、基本はシステム化されています。
相場参加者の行動心理
としては
きっかけ(短期ブレイクアウト・長期一方向継続など)
↓
イケイケドンドン(逸脱・オーバーシュート)
↓
様子見・疲れ(失速・踊り場)
↓
利確・不参加(調整・リバース)
↓
次のきっかけ(はじめにもどる)
という感じですね。
イケイケだったみんなが失意やなんやで小休止する僅かな期間が狙い目です。
この期間は短く、初心者はエントリーに勇気も必要なポイントですが、慣れると成功率は高いです(損益比はあまり期待できない)
ちなみに、
オーバーシュートに乗る
という言い方は、あまり正しい表現といえません。
行き「過ぎている」と判断している以上、
どこで止まるか解らない行き過ぎている状態に、行き方向に乗るのはデンジャラスです。
この場合は、オーバーシュートに乗るというような表現はせず、ブレイクアウトかトレンドフォロー戦略になります。
(ただしブレイクアウト・トレンドフォローが危険と言っている訳ではありません)
どこで止まるか解らない、行き「続けている」状態なら良いです。
それは単に、伸びている状態です。
また、行き「過ぎている」と認識しつつあえて同方向に乗るのであれば止めはしません。
(チキンレース上等夜露死苦の状態。バブルと知って株を買う確信犯のようなもの)
何にせよ、自分が何をしているか解っている、リスクを把握している、衝動でなく作戦である事が大事です。
様々なオーバーシュート
ブレイクアウト
を伴うオーバーシュートもあれば、ブレイクアウトを伴わないオーバーシュートもあります。
移動平均線
の、乖離からの戻りなどがこれに該当します。
つまりグランビルの法則の3番・7番のポイントです。
BBのスクイーズ
も、広義にはオーバーシュートの一種と考えて良いでしょう。
ただしバンドウォークはオーバーシュートと呼ぶにはふさわしくありません。
これはBBがトレンド指標である為です。
逆に、買われ過ぎ/売られ過ぎを評価する
オシレーター系インジケーター
は、指標自体がオーバーシュートの概念を持っています。
後書き
「オーバーシュートの逆張り」
たまにこのように、2つを混同した表現を見かけますが、
オーバーシュートと逆張りは意味の違うものです。
オーバーシュートと逆張りをセットで考えていたり、同一視している人もいますが、
逆張り/順張りそのものの考え方が相違している可能性もあるので注意しましょう。