トレードにおける大きなつづら・小さなつづら
以下のような2つのトレードがある場合、どちらが大きく勝てるでしょうか。
A: S/L=30pips 、 T/P=40pips
B: S/L=20pips 、 T/P=30pips
※SL=ストップロス(損切)、TP=テイクプロフィット(利食)
※ロットは同じとする
AはBより、SL・TPそれぞれの値が10pipsずつ高くなっていますが、
これは10pipsの違いでなく、リスクリワードレシオは
A: 1.33
B: 1.5
なので、BがAより、1.13倍有利です(1.5÷1.3)
同様に、
A: SL=30pips TP=40pips
C: SL=5pips TP=10pips
のケースでは、
トレードが成功した場合の獲得利益はAが4倍優れていますが、トレーダーにとって嬉しい環境はC(10pips)です。
損益比率に優れ、損失も最小限に抑えられているからです。
(Cの損益レシオは2.0)
Aは、損切りまでの猶予期間が長いうえに獲得pipsは大きいので、安心して大きく狙えると思うかもしれませんが、それはひいき目過ぎると言うもの。
言い方を変えれば、利食いまでが遠く、損失はデカい、という事です。
また、Aの損益比は50%に近く、欲のない現実的なトレードだと思う人もいますが、Aの方が堅実という事はありません。
(用いる手法によって正着は変わりますが。。)
フィフティフィフティに近づく程、スプレッド分、不利になるからです。
初心者は、どうしてもpipsを取りたがり、かつ、即座に損切りされる事を恐れるので、Aのトレードを選択しがちです。
安全に大きく勝ちたいと思うが故ですが、実はこれこそ危険で大きく負けやすい環境です。
安全策を取って大負けするのですから、本人は訳がわかりません。
無論、獲得pipsが多いに越した事はないのですが、上記のようなトレードを比べた場合、pipsが少ない方が有利なのです。
つまり、Cのようなトレードを重ねた累計でpipsを積む事が勝ちやすいと言えるでしょう。
(今回の例はロットは同じものとして考えてください)
以上、「pipsをたくさん取ろうとしてはいけない訳」でした。
ヒントになればと思います。